住宅金融公庫
(じゅうたくきんゆうこうこ)
1950年に制定された住宅金融公庫法(昭和25年法律156号)に基づいて設立された金融機関。住宅金融公庫設立の目的は、国民大衆が健康で文化的な生活を営むに足る住宅の建設および購入に必要な資金で、銀行および一般の金融機関が融資困難なものを長期低利で融通することにある。公庫の業務は、個人に対する住宅建設資金の貸付、賃貸住宅に対する建設資金の貸付(公社賃貸住宅、民間賃貸住宅)、既存住宅(いわゆる中古住宅)の購入資金の貸付、公社ならびに民間分譲住宅の購入資金の貸付、産業労働者住宅資金融通法に基づく労働者住宅の建設に必要な資金の融通、再開発住宅に関連した市街地再開発などの住宅建設資金および住宅購入資金の貸付、中・高層建築物のうちの住宅建設資金の貸付、宅地造成資金の融通、財形住宅資金の貸付などとなっている。その貸付資金は、資本金(全額政府出資)のほか、財政投融資計画に基づく政府資金(資金運用部資金、簡易生命保険および郵便年金資金)からの借入金からなっている。政府が住宅金融公庫を通じて政策的な意図の下に資金を貸し付けることの意義は、〔1〕個人の住宅を充実させようとする住宅政策のほか、景気刺激政策として有効な手段となっていること、〔2〕国民の居住水準の向上に大きな効果があること、〔3〕持ち家取得を推進し、返済負担を軽減すること、〔4〕中・低所得層に低利の住宅資金を供給して、住宅取得可能所得水準を引き下げること、などにある。このため、住宅金融公庫法に定められた基準金利5.5%の適用対象に所得制限や住宅面積制限を課している。また、住宅金融公庫は民間の住宅金融に対する信用保険制度をもっていて、民間住宅金融の間接的促進に寄与している。1985年(昭和60)3月末現在、資本金972億円、借入金23兆4129億円、貸付規模23兆1791億円となっており、基準金利が資金調達コストより低くなっているため、一般会計から利子補給金を受けている。 <原 司郎>
【URL】[住宅金融公庫] http://www.jyukou.go.jp/
