仮死
(かし)
疾病と、その結果としての死との過程を考えた場合、死の状態と認識されても、適切な処置などによって可逆的に生活現象を認める状態に戻ることがあり、これを仮死とよぶ。疾病はWHO(世界保健機関)分類により、消化管系、血液系、肝胆道系、神経系、呼吸器系、循環器系、腎{じん}、内分泌、膠原{こうげん}病、その他など、多種に分類されるが、いずれの疾病も死に至る過程では、異なった基本的病態を示すわけで、これを死因とよんでいる。死因には、消耗、呼吸不全、心不全、中枢障害、貧血(低酸素)、水・電解質などの代謝異常、ショック、事故などの例があげられる。このうち、ショック、麻酔などによって呼吸、心機能が完全に停止し死の状態に陥っても、ただちに人工呼吸、心臓マッサージなどの適切な処置をとることによって、それらの機能を取り戻すこと、つまり仮死の状態にすることが可能となる。なお、死直前の状態を死戦期とよんでいる。 <渡辺 裕>
