人間詞話
(じんかんしわ)
中国、王国維{おうこくい}の詞{し}(詩余あるいは填詞{てんし}ともよぶ)に関する評論。「詞は境界を以{もつ}て最上となす。境界があればおのずから高い格調をなし、名句も生まれる」という「境界」の説にたって唐以来歴代の詞を論じたもので、詩人の鋭い直覚と豊かな感性のうえに、西洋近代の美学と伝統的詞論を融合した希有{けう}の詩論であり、中国の近代文芸批評の先駆的業績といえよう。1908~09年に『国粋学報』に連載。26年に単行本。28年に未刊稿を加えて上下二巻本が編まれ、39年に補遺を加えて開明書店から刊行された。 <伊藤虎丸>
