亀井勝一郎
(かめいかついちろう)
(1907―66)評論家。明治40年2月6日、北海道函館{はこだて}市生まれ。東京帝国大学美学科入学後すぐマルクス主義芸術研究会に入り、新人会会員となって労働運動に参加し、1928年(昭和3)大学を自主的に退学。三・一五事件のあと治安維持法違反で検挙され、30年獄中で発病し、転向して出所。32年プロレタリア作家同盟に加わって評論家として活躍。第一評論集『転形期の文学』(1934)刊行後は左翼文学から退き、保田与重郎{やすだよじゆうろう}らと『日本浪曼{ろうまん}派』(1935)を創刊し、日本の古美術、古典、仏教などに関心を深め、『大和{やまと}古寺風物誌』(1943)にまとめた。『文学界』同人としても活躍し、河上徹太郎と「近代の超克」座談会を企画した。
第二次世界大戦後は『我が精神の遍歴』(1948)をはじめとして、自己を通して日本人の精神史を探る仕事に着手し、社会的には日中国交回復にも尽力した。未完に終わった『日本人の精神史研究』(1959~66)がライフワーク。1965年(昭和40)芸術院会員となる。昭和41年11月14日没。 <神谷忠孝>
【本】『亀井勝一郎全集』21巻・補巻三(1971~75・講談社) ▽武田友寿著『遍歴の求道者亀井勝一郎』(1978・講談社)
