上部構造
(じょうぶこうぞう)
?berbau ドイツ語
superstructure 英語
史的唯物論(マルクス主義社会科学)の立場から、土台ないし下部構造に対応して言われる概念。上部構造とは、さまざまな社会制度、および、法律・政治・宗教・哲学・イデオロギー等として存在する社会的意識諸形態を包含する概念であるが、これらはすべて国家において総括されている。上部構造は、最終的には、社会の経済的構造である土台によって決定されるといわれる。もっとも、これは一方的な決定関係ではなく、土台と上部構造とは弁証法的相互関係にあると主張される。現代では独占資本主義下における経済的構造としての国家制度の役割が比重を高め、また社会変革における意識性の契機の重要性がいわれる状況からしても、土台と上部構造とを機械的に区別することは、史的唯物論の現代的形態にそぐわない。この点では、アントニオ・グラムシが、両概念の区別を踏まえた有機的統一として提起した「歴史的ブロック」概念が注目される。史的唯物論の理論史では、科学的知識・言語・形式論理等が上部構造に属すか否か、属さないとすれば、土台による上部構造の規定にいかなる限定を設けるべきかなどについて論争があり、これらの論争問題は明確な決着がついていない。下部構造 <石井伸男>
