上越(市)
(じょうえつ)
新潟県南西部、高田平野の荒川(関川)下流部にある上越後{かみえちご}の中心的商工業都市。近世の城下町高田市(1911年市制)と河口港の直江津{なおえつ}市(1954年市制)が1971年(昭和46)合併して、地域名の上越をとって上越市と改称。古代は久比岐国造{くびきのくにのみやつこ}が置かれ、『延喜式{えんぎしき}』の宿駅として「水門{みなと}馬五疋{ひき}」の北陸道の伝馬制が敷かれていた湊{みなと}町で、戦国時代は上杉氏の春日山{かすがやま}城下の外港として栄えた。上杉氏会津{あいづ}移封後は堀氏が福島城に移り、江戸時代は徳川家康の六男松平忠輝{ただてる}の高田城が築城されて、加賀百万石の押さえとなる親藩が置かれ、1741年(寛保1)以降は榊原{さかきばら}氏(高田藩)十五万石の城下町として繁栄した。新市域は、南波{なんば}丘陵北端の久比岐県立自然公園を西境とし、桑取{くわとり}川の谷と高田平野を貫流する関川の下流の荒川平野、保倉{ほくら}川河口の大瀁{おおぶけ}新田や頸城{くびき}砂丘からなる。
水陸交通上の要地で、JR信越本線と北陸本線、国道8号と18号、253号、405号の分岐点で、北陸自動車道と上新バイパスが交わる上越インターチェンジもある。河口港直江津は砂丘内の掘込み式新築港で拡大されて日本海岸の重要港湾に指定されている。直江津は、荒川河口右岸に信越化学、日本ステンレス、日曹{にっそう}製鋼、三菱{みつびし}化成(現三菱化学)などの大工場が集中する臨海工業地帯をなし、鉄鋼、非鉄、一般機械、化学工業を主軸とする本県第5位の工業都市。高田は住宅都市・観光都市として発展している。国指定史跡に春日山城跡があり、国指定重要文化財「大日如来坐像{にょらいざぞう}」を有する上杉謙信{けんしん}再建の国分寺(五智{ごち}国分寺)、謙信の遺品の多い林泉{りんせん}寺、桜の名所高田城跡、親鸞{しんらん}ゆかりの浄興寺などがあり、日本スキー発祥地といわれる金谷山{かなやさん}スキー場も名高い。文化施設には高田出身の郵便の父前島密{まえじまひそか}の記念館や市立総合博物館・水族博物館がある。なお、1978年には山屋敷{やまやしき}町に上越教育大学が創立された。人口13万2205。高田 直江津 <山崎久雄>
【地】5万分の1地形図「柿崎{かきざき}」「高田東部」「高田西部」
【本】渡辺慶一著『越後府中文化』(1951・直江津社会教育奉仕会)
【URL】[上越市] http://www.city.joetsu.niigata.jp/
