HB抗原

(えいちびーこうげん)
B型肝炎ウイルス(HBV)の感染宿主(ヒトとチンパンジー)の血液中にみられるウイルス由来の粒子。1964年オーストラリア(Au)抗原が発見され、その後のHBVの研究進展に伴い、73年にHB抗原とよばれるようになった。直径22ナノメートルの小粒子で、形態は筒状、小円形、大円形の3型。このうち、Au抗原に相当するものは、厳密には表面抗原surface antigenを意味し、HBs抗原(HBsAgと表記)とよばれる。これに対して、HBVのコアにはHBcAgやHBeAgの抗原が含まれている。
HB抗原はHBVときわめて近縁で、ウイルスのタンパク膜様物の抜け殻か、不完全ウイルスではないかと考えられる。肝細胞の特定の成分や他のウイルスといっしょになると、完全ウイルスの性状をもつようになる。HB抗原の臨床的、疫学的価値は高く、この検査は肝炎、とくにウイルス肝炎(血清肝炎)の診断、および輸血による肝炎の防止に意味がある。

【HBウイルス】
B型肝炎ウイルスのことで、HBVと略記される。HB抗原は電子顕微鏡によって球状粒子として観察され、B型ウイルス肝炎の発症と密接に結び付いているが、感染性をもたず、核酸の存在も認められない。HB抗原の粒子群のなかに、同じ直径(22ナノメートル)の管状粒子と、直径42~45ナノメートルの二重構造をもった粒子(デーンDane粒子)がある。デーン粒子には比重1.30~1.32の軽い分画と1.34~1.36の重い分画がある。重い分画中には特有のDNA(デオキシリボ核酸)合成酵素活性と新しく合成されたDNAの取り込みがみられる。このデーン粒子の内部粒子(直径27ナノメートルで、コアcore粒子とよぶ)だけを抽出すると、2本鎖の環状DNA(分子量1×10[▲6])が得られる。このことからデーン粒子の一部が、HBウイルス粒子そのものであることがわかる。他のウイルス粒子と比較すると、コア粒子がヌクレオカプシド(ウイルス核酸を内蔵した殻)で、デーン粒子がHBウイルスのビリオン(感染性をもつウイルス粒子)に相当すると考えられる。つまり、HBウイルスはウイルス分類表中の異端者で、また分類上の位置は明瞭{めいりょう}ではない。
HBウイルスの抗原性はきわめて安定である。凍結・融解を繰り返しても減弱せず、またpH2.4で室温15℃6時間まで安定である。60℃で10時間の加熱によってほぼ失活する。感染性は37℃で60分まで安定であるが、60℃以上になると不安定である。100℃では10分の加熱で不活性化されるが、抗原性は残る。紫外線照射で、血清中のHBウイルスを失活させることはできない。
HBウイルスの宿主域はチンパンジーとヒトであり、チンパンジーは感染しても発病せず、ヒトはきわめて感受性が高く、唯一の発病宿主である。抗原にはHBs, HBc, HBeの3種がある。HBsは表面抗原、HBcはコア粒子にあってHBe抗原を内蔵するが、HBeはコア粒子から独立した形でも存在する。肝炎ウイルス <曽根田正己>

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