拈華微笑
(ねんげみしょう)
禅宗で、釈尊{しやくそん}(釈迦{しやか})と弟子の迦葉{かしよう}の付法(仏法の伝授)の物語をいう。釈尊が霊鷲山{りようじゆせん}で蓮華{れんげ}をかざして大衆に示したとき、大衆はみな黙ってしまったが、ただ迦葉だけはにっこりほほえんだ。そこで釈尊は「正法眼蔵涅槃妙心{しようぼうげんぞうねはんみようしん}、実相無相微妙法門{じつそうむそうみみようほうもん}」の仏教の真理を迦葉に伝えたとする話。北宋{ほくそう}代の偽経『大梵天王問仏決疑経{だいぼんてんのうもんぶつけつぎきよう}』に初めてみえる話であるが、宋代以降の禅宗で盛んに用いて、「以心伝心不立文字{いしんでんしんふりゆうもんじ}」の主張を根拠づける話とした。釈尊の教えが、知識分別では把握できないものであることを説いたものである。以心伝心 不立文字 <石井修道>
