子宮筋腫
(しきゅうきんしゅ)
myoma of uterus
子宮の平滑筋と結合織線維の異常増殖によって結節をつくる良性腫瘍{しゆよう}で、婦人科領域における腫瘍中もっとも多い。単発性と多発性の場合があるが、普通は多発性で1~30個の結節を形成する。個々の大きさはアズキ大から成人頭大にもなる。発生する子宮の部位により体部筋腫、頸{けい}部筋腫、腟{ちつ}部筋腫に分ける。このうち平滑筋の多い子宮体部筋腫が全体の90%を占めており、腟部筋腫はまれである。35~50歳の栄養のよい中年婦人、とくに未産婦か、経産婦でも不妊期間の長い人に多くみられる。
肥満婦人や発生部位などにより無症状のこともあるが、主症状は過多月経と不正子宮出血で、貧血、めまい、心悸亢進{しんきこうしん}などが現れるほか、腫瘤{しゆりゆう}による圧迫症状、筋腫の続発性変化とよばれる循環障害による諸症状がある。まれに悪性変化(肉腫)をおこす。不妊率が高くなり、妊娠しても筋腫が内側に向かって発育しているときなどは流・早産の率が高くなる。治療としては、筋腫がこぶし大以上になって圧迫症状が強くなったり、貧血が増悪するような場合に手術が行われる。これには筋腫結節(筋腫核)だけを摘出して子宮を温存する子宮筋腫核出術と、子宮全摘除術などがある。 <新井正夫>
