ホワイトカラー
(ほわいとからー)
white-collar
個人の仕事の種類を示す職業分類の用語。ブルーカラーとの対比で用いられ、雇用従業員のうち、中・下級管理者、事務員、販売員、技術者などの総称である。語源的には、勤務中も生活着であるワイシャツを着ていることを意味した。
ホワイトカラーは、産業化と組織の官僚制化の進展により、20世紀に入って各国で急増した。とくに、組織の大規模化による管理スタッフの増大、大量生産を支える流通・通信・販売・サービス関連職種の増大、行政機構の肥大化と社会保障施策の充実および教育と医療の普及に伴う公共サービス従業者の増加などがその急増のおもな理由で、人間や各種のシンボルを対象とする仕事が多い。ブルーカラー労働者に比べて、知的な精神労働が主で、学歴水準も賃金や地位も高い中産階級とみるイメージがあるが、それは上級ホワイトカラーの場合だけであり、事務や販売に多い下層ホワイトカラーについては、技術革新の導入、高学歴化、大衆社会化、職場管理の民主化などの影響で、ブルーカラー上層部とは実質的な差が縮小しつつある。そのため、大部分のホワイトカラーに上層ブルーカラーを加えてサラリーマンとよぶこともあり、これが新しい中間層の主成員となる。
ホワイトカラーは、階級的には生産手段を所有しない雇用労働者として、プロレタリアートと同質の存在であるが、イデオロギー的には資本家とプロレタリアートの中間に位置し、権力機構への接近参加の可能性を意識して保守主義に傾きやすく、また、権威主義的傾向を内包しているといわれる。わが国のように安定した高度産業社会では、ホワイトカラーは、所属組織への一体感が強く、政治的問題に対してはアパシー(無関心)的になり、余暇や消費の面ではマスコミへの依存度が高く、感覚的快適性志向の小市民的生活様式に安住する者が増す。しかし、一部には先鋭な革新的イデオロギーをもつ社会運動家も現れる。サラリーマン ブルーカラー プロレタリアート <杉 政孝>
【本】C・W・ミルズ著、杉政孝訳『ホワイト・カラー』(1957・東京創元社) ▽W・H・ホワイト著、岡部慶三・藤永保・辻村明訳『組織のなかの人間』(1957・東京創元社) ▽高橋徹・城戸浩太郎・綿貫譲治著『集団と組織の機械化』(『岩波講座 現代思想? 機械時代』所収・1957・岩波書店)
