われのみや

われのみや…

分類和歌


「我のみやあはれと思はむきりぎりす鳴く夕かげの大和(やまと)なでしこ」


出典古今集 秋上・素性(そせい)


[訳] 私だけがこれを見て、しみじみ美しいと思うのだろうか。こおろぎが鳴く夕べに、夕日の中に咲く大和なでしこの美しさよ。


鑑賞

なでしこの花は『万葉集』以来歌に多く詠まれ、秋の七草の一つにも数えられてきた。平安時代になると、夏に歌われることが多くなるが、この歌では『万葉集』と同様、秋の花として詠まれている。きりぎりす(=今のこおろぎ)の寂しい鳴き声と、夕日の輝きによって、花の美しさが強調された。だれでもこのなでしこを見たら、あわれと思うのに、自分一人で味わうのが惜しいというのである。「や」は反語。



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